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スタッフブログ
~道具と脳の大切な関係~
道具を上手に使うには、「まずは体づくりが大切!」です。しかし、なぜ手や道具を使う必要があるのでしょうか。
大人になった私たちは、字を書くのは鉛筆ではなくPCやスマートフォンで入力、なんでもスイッチをポチッと押すだけで操作できてしまう時代になりました。
さらには最近、キャッシュレス化が進み、お金を支払うにも、小銭を出さず、ボタンを押す必要もなく、ただスマホをかざすだけ…気付いたら指さえも使っていません!
大人はこんなに便利な道具を使っているのに、なぜ子どもは、鉛筆、お箸、はさみ、定規などの練習しないといけないでしょうか??
それは、手や道具を使うのは、脳の働きに大きく関係しているからです。
ここでは、子どもの発達になぜ道具操作が必要なのか、触れてみたいと思います。
「手は第二の脳である」
これは何だと思いますか?
ペンフィールドの脳の中の小人といわれています。
妖怪?宇宙人?人のような、人でないような…?
なんでこんなに手が大きいのでしょうか?
実はこれは脳科学者のペンフィールドという人が考えた、『人間の体のそれぞれの部位に対応する脳の割合を示した人形』です。脳には、運動を司る部位、記憶を司る部位、感覚を感じとる部位などなど、それぞれ役割があります。
この人形を見ると、手・舌・唇が大きく、胴は細いですよね。
そして、手は足の何倍もある大きさですね。
ということは、脳の中では手を司る領域が非常に大きいということになります。
私たちの日々の生活は、脳のあらゆる部位を働かせることで成り立っています。
自分の意図を行為として実現するには手が必要です。
だからこそ、「手は第二の脳」と言われているのです。
手から学ぶことの大切さがあり、
手には様々な役割があります。
例えば、お風呂のお湯の熱さを確かめるとき、湯船に手を入れます。
煮込み料理を作る時に、箸を使って柔らかさを確認することもあります。
相手に何かを知らせようとするとき、手を大きく振ります。
手で気持ちを表現することもできます。
ほんの50年前までは、今のような高度な医療機器はなかったので、ほとんどが触診で診断していました。
現在社会が、文化、文明にあふれているのは、人間が手を自由に、器用に使ってきたからです。
これだけの役割があるのですから、手を大切にしたいですね。
手と発達の関係
子どもが発達していく過程で、手を使うことには意味があります。
例えば、目と手を使う活動は、空間の距離感を学ぶことにつながります。
両手動作は、右手と左手、すなわち利き手と非利き手の役割が作られていきます。
そして、道具操作には、課題を達成するための手段となります。
道具を操るには、単に持つ、つかむだけではなく手の形を常に変えていく必要があります。もう一つ、道具操作は、ことばの発達とも大きく関わってきます。
このように、手と道具を使うことによって、これから育ち盛りの子どもの脳の発達にも大きく関わるのではないでしょうか。
OT(作業療法士)は、このような手の機能や活動を支援することで、日常のより良い生活や学びに繋げていくお仕事です。
リニエシューレでは国家資格を持つ医療専門職の療法士がビジョントレーニングやまなび、からだ、などのコースを提供しています。