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K-ABCⅡの結果から分かる!子どもの勉強方法。継次処理編。
前回、K-ABCⅡの「認知尺度」の一つである「同時処理」について説明させていただきました。今回は、「継次処理」についてご説明させていただきます。
前回の復習となりますが、K-ABCⅡは知能検査の1種で、子どもの学習支援を目的としており、新しいことを覚えたり対応したり情報を処理する能力である「認知尺度」と、学習がどれだけ定着しているかの「学習尺度」を測定します。
測定結果から、子どもの「得意」「不得意」を数値化し、どのような学習方法が子どもに合っているか、学習支援の方法や学習プログラム、私用教材のアドバイスを行うことができる検査です。
「認知尺度」では子どもの認知の方法が①見た情報をまとめて全体として見る能力である「同時処理」と②連続した刺激を1つずつ順番に処理してく能力である「継次処理」の2つを比較することで、子どもの認知のスタイルを掴むことができます。「同時処理」が得意な子どもは絵や図から全体的なイメージを掴むことが得意であり、「継次処理」が得意な子どもは段階的に順序正しく情報を記憶・処理していくことが得意と言えます。
認知のスタイルが「継次処理」である子どもにどのように学習支援をしていけば良いか?
「継次処理」が得意な子どもは、聴覚・言語的な能力が高くそれらを順番に処理していくので
- 1つずつ行うので丁寧、細かいミスが少ない
- 目的地までの行き方は、地図ではなく道順で教えてもらった方が理解できる
- 数のタスクを1つずつ片づけていく
- 見本があると、同じようにできる
など順序立てて考えたり、時間の流れに沿って考える力ことが得意です。
順番や段取り、時間軸で考える能力が高いといえます。
「継次処理」が得意な子どもに勉強を教える場合は
- 段階的な教え方をする
- 部分から全体へ広げていく
- 聴覚的・言語的な手がかりを重視する
ことなどが有効と言われています。
そこで「継次処理」を生かした勉強方法としては、作業に入る前には「はじめにこうして,次はこうやって,最後にこうすると完成します」という声かけが効果的です。
九九の教え方としては、聴覚的な手がかりを重視して、「にいちがに、ににんがし、・・・・」というように暗唱して覚えると効果的で、漢字や歴史の年号などは語呂合わせで覚えるのが入りやすいと言われています。「いいくに(1192)」つくろう鎌倉幕府、「はくし(894)」に戻そう遣唐使など古典的に使われている語呂だけでなく、TV番組の「水曜どうでしょう」のどうでしょうゼミナールで大泉洋校長が作成した語呂
- 「富士山見るならバルコニーで(コニーデ)」
- *富士山や羊蹄山のような円錐の形をした山をコニーデという
のような、面白い語呂を作成していくなど、認知スタイルに合わせて楽しみながら学習できると良いですね。