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K-ABCⅡの結果から分かる!子どもの勉強方法。同時処理編
K-ABCⅡは知能検査の1種ですが、子どもの学習支援を目的としており、新しいことを覚えたり対応したり情報を処理する能力である「認知尺度」と、学習がどれだけ定着しているかの「学習尺度」を測定します。
測定結果から、子どもの「得意」「不得意」を数値化し、どのような学習方法が子どもに合っているか、学習支援の方法や学習プログラム、私用教材のアドバイスを行うことができます。
検査結果の見方として、「認知尺度」>「学習尺度」の場合は、数や言葉の知識の獲得に際して認知機能を十分に活かせていないと考えられます。
そのため、認知機能を発揮できるように、学習への意欲・興味、学習習慣、教室や家庭の環境調整などを行い、学習を習慣化するモチベーションを高めていけるような支援を計画していきます。
「認知尺度」<「学習尺度」の場合は、認知機能を活かして知識を獲得できていることが分かります。
しかし、2つの尺度の数値がかけ離れている場合は、学習における負担が高すぎ、本来持っている認知機能以上に勉強を頑張って今の水準である可能性が考えら、子どもにとっては「無理をして頑張っている」状態であるので、学習の負担について検討する必要が出てきます。
また、「認知尺度」では子どもの認知の方法が
- ①見た情報をまとめて全体として見る能力である「同時処理」と
- ②連続した刺激を1つずつ順番に処理してく能力である「継次処理」の2つを比較することで、子どもの認知のスタイルを掴むことができます。
「同時処理」が得意な子どもは絵や図から全体的なイメージを掴むことが得意であり、「継次処理」が得意な子どもは段階的に順序正しく情報を記憶・処理していくことが得意と言えます。
そこで今回は、認知のスタイルが「同時処理」である子どもについて、どのように学習支援をしていけば良いか、説明させていただきます。
「同時処理」が得意な子どもは
- ①学習ではパッと見てパッと覚える
- ②地図を見て位置関係の把握ができる
- ③スマートフォンでyoutubeの動画を見ながらテレビでゲームができる
- ④曖昧な指示でも動ける
- ⑤一見無関係なものでも規則性を見つけて覚えるなど、複数のことを同時に考えたり、関連性や規則・ルールを見つけることが得意な傾向があります。
その「同時処理」が得意な子どもに勉強を教える場合は
- ①全体を踏まえた教え方をする
- ②全体から細部へ焦点化していく
- ③視覚的・空間的な手がかりを重視する、ことが有効と言われています。
そこで「同時処理」を生かした漢字の教え方としては、漢字を「へん」と「つくり」や部首にわけて、漢字全体をイメージさせながらパズルのようにそれらを組み合わせて漢字を作りながら覚えていくと良いと思います。例えば「空」という漢字であれば、「ウ」「ル」「エ」と覚えていきます。
漫才コンビ「オジンオズボーン」のボケ役・篠宮暁さんのネタの「#秒で漢字暗記」では、『颯爽(さっそう)』は「タチ カゼ メメメメ ダァ~イ」と、細かく分解してリズムをつけていますが、これは「同時処理」が得意な子どもには非常に覚えやすいと言えますね。
文責:リニエシューレ 作業療法士 八重樫 貴之
リニエシューレの発達検査