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覚醒の維持や注意の持続が難しい場合

2024/04/22

こんな子いませんか? 

  • 遊び場面で・・・・興奮しやすい。遊びが続かす、目移りしてしまう
  • 集団場面で・・・集まり場面で、ぼーっとしていることが多い。話し合いで話が聞き取れない
  • 人とのかかわり・・突然、人の話に入ってくる
  • 変わった癖・・・・常に動いていたり、爪や鉛筆を噛んでいる などなど。

ある課題(遊びや集まりで先生の話を聞くなど)に注意を向けてそれを維持するには、一定の覚醒水準が必要です。
覚醒水準とは、いわゆる「脳が目覚めている」状態のこと。
このような状態ではじめて自分の周りの環境に自分の注意を向けることができ、その環境から様々な情報を得て子どもは行動をしていきます。朝目覚めたばかりの時はぼーっとしていて(覚醒が低い)周囲の状況をうまく理解できないので寝ぼけてしまうのですが、時間が経って頭がはっきりしてくると(適正な覚醒水準)、トイレに行ったり顔を洗ったりすることができるようになってくるのです。

人間には、いわゆる五感を感じる、目、耳、口、鼻、皮膚以外にも、揺れや加速を感じる、三半規管(前庭機関)、身体の動きを感じる筋肉や関節など、身体には様々な感覚器があります。
それらが、身体の中を通って脳に到達し、脳幹網様体というところを通って、脳に感覚刺激を届けることで、覚醒をコントロールしていると言われています。ここでうまく覚醒をコントロールされないと、注意を集中し続けることが難しくなり、必要な感覚情報だけを子どもは取り出すことができなくなってしまいます。

覚醒水準が高いと脳は興奮状態となり、周りの刺激のすべてに反応してしまうことが起こります(選択的抑制の苦手さ)。
教室の後ろの子どもの話し声、隣の部屋の音、おやつのいい匂い、窓の外の風景など。いろいろなことが気になって、目の前の課題に注意が向かなくなってしまいます。

それとは逆に、覚醒水準が低いとぼーっとした状態になります。また、逆に覚醒を自分で高めようと必要な刺激を求めて動き回ったり、椅子をガタガタさせたりすることがあります。このような子どもに、じっと座っていることを求めることは、刺激を補給して何とか目覚めようとしていることの妨げになってしまうのです。

では、そのような状態の時はどうすれば良いのでしょう?

選択的抑制が苦手で、注意散漫な時は

  1. 感覚的構造化(センソリーダイエット)で、刺激を整理(制限)する
  2. 活動内容の見通しが立てやすいような視覚的構造化(黒板にスケジュールを書く等)する
  3. 掲示物の制限、照明の明るさを落す(蛍光管→LEDなど)などを行います。基本的に、環境を調整して反応するであろう感覚刺激を少なくしていきます。

感覚欲求を満たすために多動になっているときは

  1. 必要としている感覚刺激を提供する
  2. 静かにしてほしい、じっとしていてほしい場合には、先に思いっきり運動させてあげる
  3. その場にいるなら、身体が動いてしまうことを認めてあげることも有効だと思います。 

「走り回るのをやめさせたい」「ウロウロ立ち歩いてしまう」などの内容の相談を受けることがあります。子どもの行動を覚醒面から評価し、何が子どもをそのような行動の背景になっているか考え、その背景に対してアプローチすることが大切です。覚醒の問題が背景にある場合は、子どもが感じているであろう感覚刺激の量を調整し、適正な覚醒水準を保つようにアプローチしていくのが良いと思います。

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