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スタッフブログ
2語文が出てこない!?のはなぜ。
保護者にとって、1つの子育ての指標となるのが母子手帳です。母子手帳の2歳のペースをご覧になったことがありますか?
2歳の誕生日を迎え、我が子の成長を噛みしめ、確認しようと開いた母子手帳の2歳のページの1行目に「2語文が話せますか? はい・いいえ」が出てくるのです。
「まだ出ていない…。ことばの発達が遅いのではないか。」と不安になり、相談にいらっしゃる方によくお会いします。
そこで、2語文を話すプロセスを簡単にみていきたいと思います。
お子さんは、保護者の方との日常におけるやり取りや遊びを通じて、意図的に声を出し、視線や表情、首振り、そして指差し、手差しが自分の思いを伝え、願いが叶ったり、共感してもらったりを実感しながら、よりコミュニケーション意欲を高めていきます。
認知機能としては、物をお口に入れて遊んだり確かめていた段階から、運動面の向上と共に、入れ物から取り出す、穴に入れる、バチを持ったら太鼓を叩くなど、因果関係や機能を理解した遊びに変化していきます。
そして、同じ2つの物が「同じ」であることに気付き、絵本に描かれているバナナがいつも自分が食べているバナナと同じであることが分かり、「物」はどんなものなのか知っていくと、それにはいつも同じ名前がついていること理解していきます。
ここまで、コミュニケーションの土台や分かる力を育んだお子さんは、ことばがポロポロみられ、急にドバっと増える時期が訪れます。これが「語彙爆発」と言われる時期です。
そして、語彙が60~100語くらい(もう数えきれない段階に入ってますね)に増えてくると、「ブーブ、あった」「バナナ、食べる」など2語文が現れて来るのです。
語彙爆発の時期は、1歳6ヶ月を過ぎた頃に訪れるお子さんが多いと言われています。よって、2歳になったから2語文が出なくてはいけない、のではなく、ことばの育みのプロセスを経て語彙が増えてきたから2語文がでてくるのです。なので、2歳で2語文以上を話しているお子さんもいれば、これからのお子さんもいます。
これに対して、ことばの育みは個人差がある、と言われることが多いです。 お子さんによっては、このことばの育みのプロセスが進んでいかない、偏っている、なかなか興味を示してもらえず特有の遊び方になるなど、語彙が増えていかない、コミュニケーションが取りづらいことがあります。
その場合は、言語聴覚士にご相談いただき、ご一緒にことばの育みについて考えていきたいと思います。
文責:リニエシューレ日本橋 言語聴覚士 藏淵由加子